蓄積し続ける
情報と経験を基に
人に寄り添う建築を目指す

山田 竜平

建築設計

所 属 札幌事務所 設計部
入社年 2017年
経 歴 大学院 工学研究科

入社の動機を教えてください。

幼少のころから、ものづくりへの関心が強く、古民家の模型や家の間取りを考えて遊んでいた記憶があります。そこから漠然と建物やインテリアに興味が湧き、専門学校でインテリア関連の勉強をしましたが、インテリアだけではなく、空間自体をデザインできる建築により興味が沸き、大学に編入しました。

大学時の研究では、林業が盛んであった自身の故郷の町をフォーカスし、そこで行われていた“森林療法”という森を使った医療的保養の活動を知りました。元々イメージしていた医療福祉の分野とは異なるアプローチの活動はとても新鮮に感じ、研究を進める上で、取材をした医大や福祉関連の方々との交流もあり、医療福祉建築への関心が強くなりました。
就職活動時、札幌事務所は病院建築の実績は多くありませんでしたが、福祉建築の実績は多く、入社後は病院建築に携わる機会もあると考え、入社を志望しました。

学生と違うところはどんなところですか。

思い返すと、学生時代の設計課題やコンペの作品は、良い意味で虚構だから成せるダイナミズムとアイデアで評価を頂ける場であったと思います。
しかし、設計実務となると当然、自己表現だけでは建築は成り立ちません。お客様の要望や法的な設計与条件、電気・機械設備との取合いを考慮したディテールなど、より建築に対し解像度を上げて考える必要があると思います。

社内の雰囲気、印象、他部署間でのコミュニケーションの仕方など教えてください。

札幌事務所は、設計スタッフが比較的少人数でであるため、意匠・機械・電気の各部門間でのコミュニケーションは垣根なく行える環境だと思います。
私が入社2年目の時に札幌で病院案件があり、東京事務所との共同設計という事で約1年間、東京事務所へ出向した事がありましたが、普段の業務中でも、フランクに話しかけてもらえたり、クラブ活動にも参加させてもらえて、とても過ごしやすい空気感で仕事が出来ました。
地方事務所の場合は、地方のみで仕事が完結する事も多いですが、現在は全社でチャットやWEB会議などのコミュニケーションツールが整備され、以前と比べて事務所間の距離も縮まってきていると思います。

入社当初と現在で仕事内容にどのような変化がありましたか。

入社時の最初の仕事は、プロポーザルで使用する冷蔵倉庫の1/100模型の作成で、模型のサイズが2m×1.7mと特大だった為、先輩方にも手伝って頂きながら、なんとか完成させました。プレゼンにも立会わせてもらいましたが、その場の独特の緊張感を味わえたのは良い経験になったと思います。

その後は、先輩方の担当プロジェクトの補佐として、実施設計図面、各種申請関係資料の作成や、改修物件で現調したものの図起こし、工事監理の補助業務まで、建築の企画・設計・監理までの流れを教えて頂きました。
現在は、先輩方に病院設計のノウハウを学びながら、設計と工事監理に携わっており、お客様、現場、各所行政協議など、外部とのやり取りも多く行っています。

仕事のやりがいと今後の目標を教えて下さい。

現代の多種多様化するデザインに関する仕事の中で、建築設計ほど、複雑怪奇なものはないのではないか?と日々考えてしまいます。建物の大小を問わず、どのようなプロジェクトでも、設計から施工、竣工、引き渡し、アフターまで関わる、人・事柄は多岐にわたり、それらをまとめ上げる設計の力は一朝一夕で身につくものでは無いと思います。それでも、試行錯誤を重ねながら、自分自身で出来る事が少しずつ増え、それが形(建築)となっていく事は、他にはない面白さがあり、やりがいに繋がると思います。

現在、病院・福祉施設の設計に携わっていますが、私自身、長期入院の経験があり、より建物を使う人達について考える様になりました。そこで働くスタッフや、入院患者など、相互の視点をもちながら、人に寄り添う建築を目指していきたいと思います。

学生の皆さんへメッセージをお願いします。

私自身、建築設計を行う上で日頃心掛けているのが、様々な情報に触れることです。例えば、街へ出かけ建物に目を凝らすだけでも、面白い納まりのディテールを見つけたり、長期休暇の際には、遠出をして違う文化圏の街に行くだけで新しい発想に繋がることも多いです。建築以外の分野の物や、人から得られる刺激もあると思います。そうして見聞きしたものが、自分に蓄積され、建築設計者としての柔軟な発想力や引き出しの多さに繋がっていくと思います。

入社後の実務的なスキル、様々な専門知識は皆、同じく経験を経て身につくものだと思います。
しかし、“情報”は自ら拾い上げていくものです。
是非、みなさんの学生時代に得た知識・見聞を我々にも教えて下さい。
そして、“より良い建築とは何か?”一緒に考えていきましょう。

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・返信

10:00

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、打合せ等

12:00

昼休憩

13:00

現場打合せ
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17:00

社内
(現場打合せ
内容の確認)

18:00

施工図の
チェックバック等

20:00

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