壁を越える度に感じる
意匠設計への想い

お互いの関係性
中堅意匠設計者

泉谷 直樹

所 属 設計室
建築設計部
入社年 2014年

幼少期よりモノづくりや絵を描くことが好きで、高校時代にクリエイティブで形として残る建築設計に興味を持ち、大学で建築学を専攻し意匠設計者を目指しました。修士課程修了後、横河設計に就職し、医療、福祉、教育施設の設計に携わりました。お客様はもちろんですが、利用者の方に喜んで頂けるような空間造りを心掛けて設計しています。

鈴木 有加

所 属 設計企画室
入社年 2017年

小学生の頃から建築設計の仕事につくため、小中高大学と「建築一筋」で全力で突っ走ってきました。大学では都市の視点から建物を読み解くことを研究しました。最近は自邸の設計がしたくて、もっぱら住宅建築を研究中です。

堀 雄太

所 属 設計室
建築設計部
入社年 2013年

父の仕事の影響か幼少期よりトレペに住宅の間取りを描いては父に見せる、ということに没頭していました。満を持して門を叩いた建築学。師の「建築家になれるのはこの(80名程度の)中で1,2人いればよい方だろう」という言葉の真意を反芻しながら、建築(とその思考)が社会と接続する方法を考え実践しつづけています。

佐藤 春樹

所 属 設計室
建築設計部
入社年 2014年

大学では建築と都市を両側から学ぶ研究室に所属し、内部から外部への連続性や中間領域の研究を行いました。
人の居場所や建築と地域性を常に考えて設計を行っています。建築内部空間だけでなく、外部空間へのつながりや拡張性も大切にし、その地域にもプラスの影響を与えていくような建築を目指し、日々奮闘中です!

THEME 01

設計を行う上でポリシーとしている事は?
また、建築設計の醍醐味は?

私の設計に対する姿勢は、他者との対話が大事なベースであることを自覚し、正直でいること、分かりやすくあることです。設計は対話の積み重ねが多く、一つ一つの対話が具現化されていくものと考えています。
入社後初めて一緒に仕事をした上司は、設計に対するスタンスがとてもわかりやすく、私の言いたいことを上手く引き出してくれた経験が今の姿勢のベースとなっています。
また、人の感情を大切にすることが重要であるとも思います。鈴木さんはどうですか?
鈴木
私は堀さんのように設計をする上でどんな姿勢でいたいかはあまり考えていないです。ただ、設計を行う上で思うことは、分岐点に立たされた時に頑張る以外の選択肢を無くし、とにかく頑張ることです。後悔のない設計をするためにも、分岐点に立たされ迷った時こそ頑張るの選択肢以外ないと思うこと。なのでいつも自分自身との戦いですね! 醍醐味は頑張った結果が形になって目に見えた時です。もちろんお客様が喜んで頂いている姿を見れた時はうれしいです!努力や粘りが形となって実を結んだ時、建築っていいなと改めて思います。
泉谷
私も鈴木さんの頑張るに近い感覚があって、私の言い方としては「突き詰める感覚」がポリシーです。学生の頃の突き詰めるとは当然違っていて、能動的かつ柔軟にお客様の意向を汲み取りつつ、自分のやりたいことを突き詰めていくことが私の設計スタンスです。その結果として良い建築ができ、お客様にも喜ばれると思っています。また、要望とは違っても本当はこうしたいなと思って提案したことが結果、良い方へ進むことも設計の醍醐味の一つだと思います。
佐藤
私は当たり前ですが使う人の気持ちになり、人の居場所をつくってあげることをどの物件でも共通で考えています。求められている空間プラスαの居場所をどのようにつくるか、様々な人の目線で考える事を大事にしています。また、私は都市と建築のつながりを一番大事にしているので、その場所に建築をつくったときに使う人だけではなく、地域や都市がどのような振舞いをするか常々考えています。自分の設計に対する姿勢で、ここ最近でテーマにしていることは、分かったことにしないことです。設計者として、1本1本の線に責任を持つことに気を付けています。
鈴木
それはすごく分かります。私もコンセプトや要望、仕様書などに立ち返って再考したり確認したりするようにしています。
佐藤
設計の醍醐味は泉谷さんに共感するところがあります。やはり時間をかけて答えを出した所にいい思い出があります。例えば『つくばゲートウェイ』では、内観は全部現場でモデリングし直した結果、仕上げイメージ通りになり、お客様から素晴らしいとのお言葉を頂きました。

THEME 02

建築設計を行っていて一番苦労したことは何ですか?
また、それをどうやって乗り越えましたか?

鈴木
若手の時に、若いという理由で不安視されたり、打合せで失敗し思うように進まないときは落ち込み悔しかったです。どのように乗り越えたかを考えると、私なりの気合で乗り越えましたね。(笑)あとは一人で溜め込まず、色々な人に話を聞いてもらいました。
自分一人で抱え込まずに相談する事はすごく大事だと思います。また、なんでもただ聞くだけではなく、自分なりの考えを出したりと、その辺のバランスが大切ですよね。具体的にはどんな経験をされたんですか?
鈴木
具体的には現場で施工者のベテランの所長さんとのやり取りですね。まだ一級建築士の資格取得前だったので、それも要因の一つかもしれませんね。資格は大切ですね。(笑)佐藤さんはどうですか?
佐藤
入社当初は、同じプロジェクトを担当している上司や先輩にしか質問や相談が出来ないと思い込んでいたので、その時が一番苦労しました。担当を越えて積極的に様々な方と社内コミュニケーションを取るようにしたところ、皆さん丁寧に対応して下さり、仕事の幅が一気に広がり、乗り越えることができました。良いものを作るという点では全社員が味方なのだと改めて感じました。また、お客様と信頼し合ってタッグを上手く組めた時には、物事が円滑に進み、良いものができるという事も経験しました。それも人との対話が前提にあると思います。今後も壁にぶつかった時は様々な人との対話で乗り切って行けることが多いのではと感じています。
鈴木
佐藤さんの話で対話というのがありましたが、私は転職してきて想像と違ったのが、意外と社内が静かだったことです。以前の勤務先では、打合せ室ではなく公のミーティングが行われていたので、社員の声はどこからでも聞こえてきました。その点では横河設計は、作業に集中している社員に配慮して、対話などは打合せテーブルや打合せ室にて時間をかけてしっかりと行っているので、丁寧にコミュニケーションを取っている感じがします。
佐藤
そうですね。上司も先輩も聞けば丁寧に答えてくれるので、自分がその立場に立った際には聞かれやすい雰囲気でいることを大事にしたいと思っています。
泉谷
私も工事監理で苦労しました。工期やコストがある中で、お客様の意向と自分の考えを取りまとめプレゼンしなくてはいけないことが大変でした。その時は、上司や先輩、周りの方に助けて頂いて乗り越えることができました。違う案件の話では、デザインを考えるだけではなくしっかりと考え抜きなさいと先輩に言われました。その言葉は自分自身のスキルアップにつながったと感じています。今まで納得していたことももっと良くできるのではないかと思うようになりました。苦労はしましたが、結果視野が広がりましたし、その分形になることも身に染みて感じました。この中では一番経験がある堀さんの苦労話が聞きたいです。どうですか?
3年目ぐらいから任される範囲や責任の範囲が大きく広がった印象があります。もちろん上司や先輩のフォローはありますが、私が最初に任された案件では、何も分からないところから試行錯誤を繰り返し、改修から新築3棟をやり切ったときは気合で乗り切りましたが苦労しました。
泉谷
大変だけどスキルアップできる時期は誰にでも来ますよね。
そのような時期を乗り越えた時には自信がつきましたし、理解出来る事が増えました。一方で、わかることが増えた分、その先の知らないことが増えてくる印象です。ポジティブに考えればそこがこの仕事の醍醐味なのかなと思います。

THEME 03

お互いの設計をどう思いますか?

JA東京みどり幸町支店

鈴木
プロポーザルの提案から工事監理まで設計責任者としてプロジェクトを担当した案件です。JA東京みどりさんの本店、幸町支店の老朽化に伴い、旧幸町支店の敷地に新しく本店と幸町支店が合併した施設です。
泉谷
外観内観共にきれいに完成していると思います。
鈴木
プロポーザルの提案では泉谷さんにも立案して頂いて、プロポーザルの提案書を作成しました。選定頂いてから私が主体で実施設計までやらせて頂きましたが、関わった方、皆でつくりあげた気持ちです。
泉谷
1棟案と分棟案がありましたよね?私は1棟案推しでした。(笑)
鈴木
結果分棟になりましたね。(笑)泉谷さんが企画した案を見た時に外観のデザインをもう少し深堀りしてみよう!から始まり、提案時では完成に近い案まで検討しました。竣工後も傷付いていないかなとか、塗装が大丈夫かなとか気になり近くで用事があると見に行っています。当時のことを思い返すと、自分のやりたいデザインとコストのバランスで苦心しました。
泉谷
いかにシンプルでコストをかけずにスタイリッシュに見せれるかが大事だったんですね。
  • JA東京みどり幸町支店(イベント広場)
  • JA東京みどり幸町支店(外観)

杉並区永福体育館

廃校となった区立小学校を体育施設に再編したプロジェクトです。既存校舎・体育館のリノベーション、2つの増築、ビーチコート新設、各種解体工事等さまざまなスキームの設計から工事監理まで一貫して携わりました。
鈴木
最初に見た時に堀さんらしさが出ているなと思いました。
どういったニュアンスですか?
鈴木
意匠に拘っていて、やりたいことが詰まっているなと感じました。内観写真からも堀さんの葛藤を感じます。今度、完成したビーチバレー場をみんなで使いたいですね。(笑)
体育館のデザインはうるさくなり反省していますが、その他の所はバランスがうまく取れたのではないかと思っています。私なりに成功したと思う部分はモルタル感、木質感の色とバランスがうまく取れたところです。CMF(カラーマテリアルフィニッシュ)の観点から振り返ってみてもバランス良くできたと思っています。
佐藤
おっしゃるように綺麗にできていますよね。
鈴木
トレーニングルームは良い意味でトレーニングルームらしくないデザインですね。元の建物がレトロなのもあると思いますが、レトロ感がすごく良いです。
元が教室の所を2つ抜いて改修したからだと思います。ダンススタジオ的な感じで使用します。
  • 杉並区永福体育館(ビーチコート)
  • 杉並区永福体育館(トレーニングルーム)

赤羽中央総合病院・東京シニアケアセンター赤羽

泉谷
基本計画から工事監理まで設計責任者として携わらせて頂いた案件です。旧病院の老朽化に伴い、旧区立中学校跡地を敷地とした移転新築プロジェクトで、RC造約17,000㎡、7階建ての病院(199床)、介護老人保健施設(100床)と保育所(別事業者、別設計)との複合施設になります。
佐藤
プログラムはもちろんですが、夜景のアプローチの写真が良いですね。
鈴木
夜景の見せ方は意図したのですか?
泉谷
ピロティの見せ方は意図してやっています。軒天の材料にスパンドレルを採用することで照明が反射してきれいに夜景が見えるように仕上がったと思います。RCですが、いい具合に飛んでいるように見えます。照明も現場で配置を変えて、柱を照らすようにしました。
佐藤
赤羽中央総合病院や自分が担当した案件もそうですが、意匠的なデザインだけでなく、照明を含めた各設備との取り合いをより詰めることが重要だと感じます。
泉谷
建物内部は全体的にシックな感じで石と木を入れてホテルをイメージしました。基本的には明るめの色の中に石や木を使って全体の色味を合わせています。提案したサンプルには様々な意見がありましたが、全体の色が喧嘩しないように意識しました。中でもアクセントクロスの選定にはとても苦労しましたね。(笑)
  • 赤羽中央総合病院・東京シニアケアエンター(アプローチ)
  • 赤羽中央総合病院・東京シニアケアエンター(エントランス)

多摩メディカル・キャンパス保育棟

佐藤
多摩メディカル・キャンパス内の中核施設である多摩総合医療センター・小児総合医療センターの関連施設として、院内保育所と病児・病後保育所を併設した施設です。基本設計から工事監理まで設計責任者として担当しました。
鈴木
子供の視点に立った佐藤さんの遊び心が出ている印象です。子供たちが使っている姿が見たいですね!
佐藤
のぞき窓には拘った分、コストがかかってしまいました。子供の目線にあるのぞき窓はコストの関係で無くす案もあったのですが、お客様のご理解もあり、死守しました!(笑)
この物件では現場を見て初めて気付いて変更をした箇所があったので、現場に足を運ぶことは大事だなと改めて学んだ物件でもあります。現場でしか調整出来ない事も多々あり、特に設備関係の現場調整は大切だと感じました。
泉谷
工事監理での反省はありますよね。それを設計にフィードバックして皆でさらにより良い設計を行っていきましょう!
  • 多摩メディカル・キャンパス保育棟(のぞき窓)
  • 多摩メディカル・キャンパス保育棟(外観)

THEME 04

横河設計の良いところや仕事のやりがいは?
将来、横河設計がどういう事務所になっていて欲しいですか?

佐藤
良いと思うところは、こうあるべき!という固定観念がない所です。横河設計としてのデザインはこうあるべきというものがないので、しっかりと自分の考えをもって、自分の思いを乗せた形、中身、機能を上司やお客様に提案できるところだと思います。別の言い方をすれば自由度があるということです。その分、考える事に時間がかかるので、そこのサポート体制をより強化して頂けたらありがたいです。
泉谷
私も似たような話になるのですが、わりと自分の意見を発信しやすいところが良いところだと思います。コストバランスもあるので自分のやりたいことが全てできる訳ではないですが、その中でも自分の考えを上司に発信して挑戦しやすいと感じています。また、将来の横河設計を考えると現状を変化させていかないといけないと思います。現状維持では成長が無いと思うので変化し続ける事が重要だと思います。例えば医療施設に関しても似たようなデザインではなく、特許を取れるような病棟形態を考え出して提案出来たらと思います。ただ、新しい考えを探していますが中々思いつかないですけどね。
佐藤
私は現在医療施設を担当していませんが、医療施設に関しては複合的に考えることが非常に多いですし、斬新な提案をして攻めても多様な諸条件からやはり色々な葛藤の末にかどを削られていく印象がありますね。
鈴木
医療施設は多種多様な利用者がおり、働くスタッフも様々な立場の方がいる為、設計中に考えなければならない事が多いです。実績が沢山あるメリットを活かして考え抜かれた前例に習う事は重要ですし、新たに拘りたいところにかける時間を作り出さないといけないので大変ですよね。
泉谷
まだ分からないことが多いので、もっと案件数をこなしていきたいです。せっかく長い歴史をかけて先輩方が積み重ねた実績と経験があるので、それらを活かしていきたいですね。
鈴木
私が感じる横河設計の良いところは上下間の風通しが良いところです。担当しているプロジェクトの上司だけでなく役職者や役員も含めて意見や提案を言いやすい環境が作れていると思います。それともう一つ、福利厚生がしっかりとしているところも魅力です。働き方改革も行っているので残業の抑制がされていますし、土日祝日などの休日もしっかり取れるのでライフワークバランスも取れています。休日に上司をゴルフに誘って行ったこともありますし、非常にフレンドリーで良い職場環境です。そして将来は、せっかく設計が好きな人達が集まっているので、設計についてもっと話し合ったり、様々な意見を聞いたり出来るスペースやラウンジ、空間などの環境を整備して欲しいです。そこで色んな話をして更に活気付いていったらいいなと思います。
佐藤
上司や先輩、部署なども関係なく誰にでも聞けば答えていただけることに気付くまで時間がかかってしまったので、若手社員や新人には同じ思いをして欲しくないと思います。その為にもきっかけ作りとして、部署や世代を超えた意見交換を気軽に行える環境整備は良いと思います。最後、堀さんに締めてもらいましょう。
成果物の一つとして図面があります。いつももっと描けるのではないかと思い続けて反省していますが、横河設計の図面はしっかり描けていると言われたことがあります。その時に技術力の良い伝承がされ続けているんだと感じました。また色々とフォローはして頂きましたが、若い年代から責任のある事を任されチャレンジできるのは、良いところであり、やりがいを感じています。将来は全社員が一貫した共通のビジョンを持って同じ方向を目指しながらも、個人のやりたい事も大事に共有していきたいと思っています。そして時代の潮流と共に変化の出来る設計事務所になっていてほしいです。