日本大学東北高等学校

生徒と教員の主体的で双方向な学習ができる校舎をめざして

校地は日本大学工学部のキャンパス内で、高大連携事業に取り組んでいる併設校になります。敷地内に準用河川の徳定川が流れ、川と既存校舎に囲まれた狭隘な空地が建設地になります。

条件は近接する既存校舎を運用しながら建設、解体、外構整備の改築ローテーションを可能にすること、現状の複数校舎での授業運用による生徒の不便さを改善し教室環境・設備の充実を図ることで、新校舎に機能を集約し新しい教育に対応できる環境の提供になります。

施設構成は集約した校舎を機能ごとに特別教室・管理諸室、普通教室、集会ホールと3つにゾーニングし、フリースペースのホールやテラスルームを分散して設けて教科連携や生徒が創造して主体的に利用できる環境を計画、また3カ所の階段室を利用して自然換気システムを構築しています。大階段を中心に図書室、自学室、ALスタジオと教員室を配置し、生徒の自発的な学習意欲の向上とそれをサポートできる環境や450人対応の集会ホールは単独運用や学校行事で広場と一体利用できる計画になります。

校舎配置は、南側は川に沿って校舎を雁行させて既存樹木の保存と適度な外部空間を確保して憩いのデッキテラスを配置し、内部空間と同調した建物の構成を強調するデザインによって内外のつながりと環境との調和を意図し、正面北側は広場を囲む配置によって新校舎全体で一体感がある計画としています。

建築主 学校法人 日本大学
所在地 福島県郡山市
構造 鉄筋コンクリート造 一部鉄骨造
階数 地上4階
延床面積 13,869.46㎡
竣工年月 2021年1月
撮影 株式会社エスエス 東北支店
備考 『近代建築』2021年7月号掲載

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